SPACE VENTURE 宇宙事業

宇宙開発におけるさまざまな課題の解決には、安定した技術基盤や機器開発が不可欠です。私たちGSSが手がけるSIMSは、正式には、「二次イオン質量分析法」と呼ばれ、宇宙から持ち帰った物質の解析や半導体のデバイス構造評価などにも用いられている精密機器です。私たちは、最先端の「次世代型SIMS」の開発を進めることにより、人類の宇宙領域への挑戦をさらに加速し、新たな時代の発展に貢献します。

( 01 ) アルテミス計画

1960~1970年代に、人類が初めて月面に降り立ったアポロ計画以来、約半世紀の時を経て、再び月に人類を送り込み、月面における持続的な活動をめざす月探索の国際的なプロジェクトとして進められているのが、「アルテミス計画」です。

( 02 ) ミッション

人類が月面において持続的な活動を行うための重要な鍵を握るのが、水資源の探索です。私たちGSSは、月面での水資源探索を実現するため、世界に二つとない新しい技術である次世代型SIMSを開発・提供することにより、宇宙開拓という新時代の扉を開くことに挑戦しています。

なぜ、月にSIMSを持って行くのか?
世界的に月を巡る競争が激しくなっています。旧ソ連と米国に続いて、中国、インド、日本が月面への着陸に成功しました。さらに、米国のスタートアップ企業も民間で初めての着陸を実現しました。約50年前のアポロ計画では、月に行くこと自体が目的でした。しかし、現代の月開発は、月に基地を設けて、宇宙での活動を広げることを狙っています。月面で活動するには、水が必要になります。
例えば、月で水を利用してロケット燃料を作ることができれば、地球から燃料を運ぶよりもはるかにコストが安くなります。将来、月探査隊が地球に戻るときや他の目的地に向かうとき、その場で水が入手できれば、水素と酸素に分けて燃料にすることが可能です。月での燃料補給は、宇宙旅行のコストを下げ、月基地の設立費用もより抑えることにつながります。
実際に月に水があるかどうかは、「行ってみなければわからない」のが現状です。
仮に月の石を地球に持ち帰ったとしても、地球は水の惑星ですので、持ち帰る途中で水が付着してしまうと、正確なことがわからなくなってしまいます。
なぜ、SIMSなのか?
欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げた探査機 ロゼッタには様々な科学観測機器搭載され中でもROSINA内に二重収束形質量分析計(DFMS)やCOSIM内に飛行時間二次イオン質量分析計(TOF-SIMS)と私たちが開発を進めているMagnetic Sector SIMS(二重収束型二次イオン質量分析計)により近いものが実際に彗星に向けて飛んでおります。
Magnetic Sector SIMSは微量の元素や同位体を検出するのに非常に高い感度を持っています。一次イオンビームのエネルギーと試料の物性によって感度が変化しますが、通常はppmレベルの濃度まで検出できる特徴があります。
またMagnetic Sector SIMSは地球外物質の起源や地球内部のプロセスを解明するためにも活用されており、隕石や岩石の進化過程を探る上で貴重なツールとなっています。

CASE STUDY 01 隕石の起源解明

Magnetic Sector SIMSは、隕石の酸素同位体比分析に使用されます。これにより、隕石の起源や進化過程を探ることができます。

CASE STUDY 02 岩石の元素分布解析

地球上の岩石や鉱物の元素分布を調査する際に、Magnetic Sector SIMSが活用されます。特定の元素の深さ方向の分布を評価できます。

CASE STUDY 03 同位体比測定

Magnetic Sector SIMSは、同位体比の精密な測定に適しています。岩石中の同位体比を調査することで、地球の歴史や地質プロセスを理解できます。例えば、放射性同位体の分析により、岩石の年代を推定することができます。

CASE STUDY 04 地球外物質の解析

Magnetic Sector SIMSは、小惑星や月の試料など、地球外物質の元素組成を調査するためにも使用されます。これにより、太陽系の形成や進化に関する情報を得ることができます。

このように、Magnetic Sector SIMSは地質学において実質的な標準機とされており、数多くの実績があります。また、感度の問題だけでなく、水素を安定的に測定できる装置としてSIMSを採用することは、地球上での水素分析の事例から見ても正解と言えます。

どうやって月にSIMSを運ぶのか?
月と地球間の輸送コストは、1キログラムあたり1億円と言われています。現在販売されているMagnetic Sector SIMSは1台あたり約1500kgであり、そのまま運んだ場合、輸送コストだけで1500億円にもなります。さらに、高性能な大型Magnetic Sector SIMSでは、1台あたり約10000kgになります。
私たちGSSは、2次イオン質量分析法の基本はそのままに、新しいイオン源の開発や装置自体のコンパクト化、磁場制御の開発を進め、装置の極限までの軽量化を図り、月に送り込みたいと考えています。現在、私たちGSSは北海道大学と共同で研究を進めており、「新しい質量分析装置を開発するための基礎研究」に取り組んでおり、日々要素技術の基礎研究を行っています。

( 04 ) 開発風景

( 05 ) インタビュー

弊社代表の井上が宇宙事業にかける想いを語っております。是非ご覧ください。

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